「蒼空」


「今日が最後です」


会えなくなる。
会いたいけど。



「最後にキス…してくれませんか?」



「………あ、あぁ……」



笹河があたしの頬に触れた。

そして、キスをした。


優しく、深く、絡めた。

久しぶりな気がした。


あたしは笹河に抱き着いた。
笹河も抱きしめてくれた。



「…こんなに好きなのにな」



「そうですね…」



「なぁ…名前で呼んでくれよ」



「…慶。ありがとう」



ゆっくり離れて、もう一度キスをした。




さよなら、慶。



ありがとう、慶。





本当に。





ありがとう。