「落ち着け」



「やだっ」



笹河の腕を引っ張って、どうにかしようとした。

笹河は、あたしの肩をつかもうとしてる。


わかってる。

こんなことしても、無意味だって。

迷惑かけてるんだって。


でも、もう止まらない。



「笹河さん…」



今になって、笹河のこと…こんなに好きなんだって知るだなんて。


バカだよ、あたし。
バカだよぉ…。



「泣くなよ…」



あたしの涙を指で拭ってくれた。