「で、どうな…」


「蒼空ぁっ!」


お母さんは、笹河を突き飛ばしてあたしに抱き着いてきた。


あの熱い手が離れた。


「もう、なかなか帰ってこないんだもん」


「まだ、5分経ってないよ」


あたしは、お母さんの背中を叩きながら笹河を見た。


顔面を壁にぶつけたみたいで、鼻が赤くなってた。


あ、あたしのせいじゃないよ。


…うん。


「それより!笹河さん、ケガしてるから!」


「あらっ。じゃあ笹河君、家にいらっしゃっい」


笹河とあたしの腕をつかんで、家へと引きずっていく。