空色パレット

そういえば…。

お母さんの嬉しそうな顔…久しぶりに見たな。


ていうか、ふたりの顔見るのも久しぶりか。


「…言っちまうか」


「…どっちでもいいですよ」


あたしは何も言わないからね。

笹河が言ってよ。


「じゃ、彼氏ですって言っていい?」


「えー」


…まぁ、別にいいですけどね。

あたしは、さりげなく笹河の手をつかんだ。


笹河も、何も言わずに手を繋いでくれた。


そのことに嬉しがるあたしって…やっぱり笹河のこと、好き…なのかな。


頭の中で『好き』って言葉がぐるぐると回り続けている。