空色パレット

「頼もしそうな旦那様と素敵な奥様…。憧れますね」

嘘つきだ…。

ペラペラと嘘つけるってすごいね。


「やっだぁ。もう、笹河君たら」


嘘だよ、お母さん。
明らかに嘘じゃん!


笹河は、笑顔であたしの耳元でささやいた。


「さっさと外へ行くぞ」


「は…はい」


あたしは、笹河の腕をつかんで外に行こうとした。


「笹河さんたら、大事なもの落としてきたみたいだから、探してくるね!」


それだけ言って、走って外へと出た。


何か言ってた気がするけど、そんなの聞いてらんない。