空色パレット

「離さないと…」


「何してるんだ?」


……あら?


「今の笹河さん?」


「…違う…」


だ、誰?

おばけっ?!


でも、どっかで聞いた。謎の声だけども。


「だから、何をしてるんだ?」


ゆっくりとリビングの扉を見てみると…。


「ああっ!」


「久しぶり」


顎ヒゲがヤバいくらい生えて、服が汚らしい…お父さん?と、化粧バッチリ、ドレス姿のお母さん?がいた。


「…な、な、何で?」


「何でって…帰ってきた」


タイミング悪い!

ていうか、貧富の差が出てる…。


「誰?」


笹河があたしの耳元でささやいた。


「父と母です…」


「…ホームレスと女王か?」


「いいえっ。違いますけど、近いです」


帰って来なくてよかったのに!