空色パレット

「今さら、許してもらえるなんて思ってない…でも、好きなの…一緒にいたいの」


「許す?俺は別に怒ってねぇよ」


「慶、わかってない…」


笹河は、困った顔であたしを見た。


うーん。
どうしよう。


「秋香。今日は帰れ」


「…うん」


「送ってやるから」


笹河の腕にしがみついて、玄関に向かう。


「蒼空、ちょっと行ってくるわ」


「あ…はい」


ふたりが出ていったあと、ゴリ男があたしの肩を叩いた。


「悔しいか?」


「は?」


「昔の女だ、あいつはもうお前しか見えてない」


…そんなのわかんないじゃん。

まだ好きかもしれない。