空色パレット

「ま、まず…笹河さんの気持ちを知りましょうよ」


「…そうね」


秋香さんとあたしは、笹河を睨むように見つめた。

これ以上、怒らせたら危ない気がする。


あたしは、必死に秋香さんと目を合わせないようにした。


「俺、好きなやついるから。だから、秋香。お前とはもう無理なんだ」


「笹河さん…」


秋香さんは、俯いて静かに涙を流していた。

すごく綺麗だと思えた。


…はっ!

そんなこと考えてる場合じゃない!


「蒼空」


「はい?」


一瞬、時が止まった気がした。