「じゃ、次はガーゼですね」


お腹にガーゼを押し付けて、包帯を巻いた。

巻くとき、抱き着くような格好になるから恥ずかしいっ。


「お前、唇が…」


「あー、もうっ黙っててくださいよ!」


グルグルと巻き続けた。
もう少しだ、もう少しの我慢っ。


「…バカだなぁ」


いきなりあたしを抱きしめてきた笹河。

ぎ、ギャァァァァァ!


「このバカァァっ」


笹河を突き飛ばそうとしたけど、力強すぎっ。抵抗しても無駄だった。


「いい匂いするな」


「知りませんよ、てか離してっ」


巻けないじゃん!