空色パレット

「しかし、何だな…お前がケガするとはよほど強かったんじゃないのか?」


「けっ。ありえねー」


ワイシャツを脱いでいる笹河を見て、またビックリした。

お腹から血が、血がっ。


「あ、あ、あ、あたしが巻いてあげますからぁっ!」

笹河から包帯を奪って、お腹に巻こうとした。

あ、ガーゼも必要だし…消毒もしなきゃ。


「消毒しましょうよ」


「いらねぇ」


「あ、もしかしてお酒で消毒するってやつですか」


よくあるよね。
お酒で消毒するヤクザ映画。


「いや、やったことねぇから」


「えー」


そんなことよりっ。

笹河のお腹に消毒液をドバっとかけた。


「いっ…っ!」


ありゃりゃ。
かけすぎたな。