空色パレット

「笹河、やっぱりいるよ」


「でもな…」


「いるよ!」


絶対いる。
だって、だって…。


「……今、音がした」


「音?」


聞こえなかった。
もしかして笹河なの?


「あの部屋からだ」


「行こう」


霧島がいたら、シバいて吐かせよう。


勢いよく扉を開けると……。


「は…?」


ひとり、タバコを吸っている…笹河がいた。

片手には木刀。


「さ、笹河…さん」


「ん…お、来たのか」


来たのかじゃないよ!
どんだけ心配したと…っ。


笹河の頭でも殴ってやろうと思い、近づいた。


「待て。そこでストップな」


「どうして?」


「…おい、ゴリ男。ちょっと手伝え」


お腹を押さえながら、ゴリ男に支えてもらいながら立ち上がった。