空色パレット

何もわからないよ。

しばらくは帰ってこれないってことは、いつか帰ってくるんだよね?


「嘘つきぃ……」


遠くだなんて嘘。

きっと笹河を恨んでいる人のところに行ってるんだ。


携帯を開いて、メールを送ることにした。


『絶対、帰ってきてね』


メールを送信して、あたしはホットケーキを食べた。


甘くて。
でも、しょっぱくなった。


涙がホットケーキに落ちた。


消えてしまった。
一瞬の幸せだった。


笹河との思い出が。

崩れ落ちかけていた。