空色パレット

「熊谷。この暴力娘、拉致したって無意味だぞ」


鼻を押さえながらゴリ男に言った。

顔面にあたしの脚がおもいっきり当たったからだなぁ。


「それは組長が決めることだ」


「いつまで犬になってんだよ」


睨み合うふたりを見て、お見合いのことを思い出す。


こういう展開って好きじゃないんだよね。


「どこだ」


「…奥の部屋にいる」


笹河はあたしの腕を引っ張りながら、超奥の部屋へと向かった。


「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと」


「俺のうしろにいろよ」


「は、はい」


嫌~な予感。

まさかだけど、拳銃とかで撃ち合うとか!?


やめて、やめてっ。
そんなのにあたし巻き込まれたくないから。