ずっとひとりだったから、誰かが洗う音なんて久しぶりに聞いた。


そんなくだらないことなのに嬉しくなってしまう。


さっさと服を脱いで、お風呂へと入る。

頭を洗おうとシャンプーに手を伸ばすと、ふたつあった。


さっき新しいの渡したけど…。

ふたつ持ち上げてみると、量は同じ。


…笹河めっ。
やっぱり嘘ついてたんだ。

シャンプー、いっぱい入ってるじゃん。


「バカ…」


新しいシャンプーを端っこに置いた。

あとで、文句を言ってやる。