空色パレット

あたしの右手の手首をつかんで、耳を軽く噛んだ。

息を吹きかけてきたり、あたしにとっては地獄だ。


「か、カレーライスがぁぁ…」


「あ、そうか」


パッとあたしの手首を離して、考え込む。


「まぁ、食後のデザートとして食うから」


いやいや、意味わかりませんって。

デザートとか、あたし甘くないし。

フルーツでもないし。


「鳴かせてやるから、覚悟しとけよ?」


泣かせてやる?あたし、泣かないから。


「泣くじゃない。鳴くだ」



あたし、動物じゃないんですよ。