空色パレット

「バカだなぁ。指でも切ったらって考えてだな……」


「じゃあ、何で笑ってるんですか」


「あ?俺は、いつも笑顔じゃねぇか」


その顔は、あたしをバカにしてる顔!


「いいです、あたしが切りますっ」


材料を奪って、まな板の上に置いた。

水でザブザブと洗って、包丁でジャガ芋の皮を切ろうとした。


「バッ…」


サクッ。

そんな音がしそうでしない。


「い、い、い…」


「バカ…」


「いったぁぁぁ!!」


指が、指がぁぁぁっ。

血が、血がぁっ。