空色パレット

「すみません、ちょっと怖い人に追われていて…」


涙ぐみながら上目遣いで男を見つめていた。

演技うますぎ。


男達は騙されているみたいで、思わず吹き出してしまいそうだった。


「じゃあ、俺らが守ってあげるから。ほら、行こ」


笹河の手を引っ張る短髪の男。あたしはというと…チャラ男につかまっていた。


どうすんのよ、逃げられないじゃん。


「あ、その子は帰るみたいなんで」


笹河は、あたしを逃がそうとしてくれた。


でも…。

「いいじゃん、一緒に遊ぼ…」


短髪が言いかけた時、チャラ男が吹っ飛んだ。


……え?


まさかっ。

笹河を見ると、とびきりの笑顔。


…やっちゃったよ、この人!!