空色パレット

「さっ、笹河さーんっ」


「キスしてくれたらいいけど?」


「ひ、人いるし…って、そんなことより!無理っ」


嫌だよ、絶対!
痛いし、恐いし。


「じゃ、ふたりきりならいいのか」


「…もうホテルとか…」


「行かない」


思わず、俯いてしまう。信じていても、やっぱり恐い。


「…マジだ。信じろ」


笹河は、あたしの頭を優しく撫でた。
大きくて安心する…。


「笹河さん」


「ん?」


背伸びをして、笹河の唇に。


軽いキスをした。


「…人、いるぞ?」


「笹河さんがキスしろって言ったじゃないですか」


顔が真っ赤になっていくのがわかった。

笹河は、相変わらず無表情。