空色パレット

新しく買ったマグカップを箱から取り出した。

一応、お客さん用に買っておいた。


「笹河さん、ミルクとかってい………あれ」


ソファーに座っている笹河に声をかけた。


寝てる。


頬を突いても、まったく起きない。

せっかくコーヒー用意したのに。


マグカップをテーブルに置いて、笹河の寝顔を見た。


女の子みたいな顔して寝ている笹河に嫉妬をしながら、コーヒーを一口飲んでみた。


苦くて。


顔をしかめて、マグカップを置く。


でも。


笹河の寝顔を見たら、そんな苦味が吹き飛んでしまった。