「♪〜♪〜」



ゆっくりと歌い始める。


桃が好きだった歌。





今この場にいたら、すんげぇ幸せそうな顔してんだろうなぁ。



歌っていると次々と浮かんでくる桃の顔。



涙が出そうになるのをこらえ、必死になって歌った。








…お前がいたから、今の俺がいたんだって。



そう、伝えるために…。










「♪ー…。」




歌い終わった。


「桃…。」


やっぱダメだ。




「やっぱダメだ桃。お前がいなきゃ…俺…。」






戻ってきてくれよ…。