次の日。



私は真っ先に光輝君のところへ行った。




少しでも長く一緒にいたくて…。




「こぉーき君っ♪おっはよ!」



「うわっ!桃、朝からうるせぇ。」


「へへーっ!!」








昨日の夜、決めたんだ。


光輝君のために死ねるのなら光栄だよ。


だから、怖がらない。

光輝君のために私ができる最後の事なんだから。








「なぁ…桃。」



「ん?」


光輝君と一緒に昼ごはんを食べていた。




「…ありがとな。いつもそばにいてくれて。」



いつになく真剣な光輝君。

その言葉は別れの言葉にしか聞こえなかった。




「…うん。」


それだけ言うと私は笑った。

そんな風に言わなくても、光輝君は助かるよ。







それから私たちはいっぱい話した。


まだ咳き込んだりする光輝君だったけど、明日になれば楽になってるからね。




…もう少しのしんぼうだから。



「なぁ…桃、お前に渡しておきたいものがあるんだ。」




夕方。

光輝君の病室でやっていたトランプで遊び飽きた頃だった。





「なに?」



すると光輝君はベッドの横の引き出しから小さな箱を取り出した。




私をベッドに座らせて、正面に光輝君が立つ。




…なんなんだろう。