「無理して泣くの我慢しなくていいよ。今までたくさん我慢してきたんだもん。いっぱい泣いても、誰も何も言わないよ。」







そう言って、私は優しく光輝君を抱き締めた。







そして、光輝君はたくさん泣いた。



その涙は光輝君の上に乗っかっていた重い荷物を洗い流した。





















どれくらいそうしていただろう…。


「俺…お前に会ってから、すっげぇ毎日楽しくなった。」




口を開いたのは光輝君の方。





「…私も楽しいよ。」



私はあなたと話するために人間になったんだから。



光輝君は微笑んでから、少しづつ話始めた。





「桃に会うまで…俺、何に元気もらってたと思う?」





「…家族とか、友達?」



「まぁ、それもあるかな…。でも、それよりも元気もらってたやつがいるんだ。」






私に会う前だから…私が木だったとき?



ずっと光輝君の事、見てたはずなんだけどなぁ…。




「…誰?」