落ち着いた光輝君は黙ったまま、中庭のベンチに2人で静かに座っていた。



光輝君は落ち込んでいるのか、ずっと下を向いたままだ。



でも、私はどうしても今の落ち込んでいる光輝君に伝えたい事があったから口を開いた。




「あのね、光輝君…。」



光輝君は黙って、こっちを向いた。




「今、体が病気に負けてたとしても、気持ちだけは…負けないでほしい。」



私は真っ直ぐに光輝君を見た。


諦めないで…って伝えたかった。



これからも光輝君には歌ってて欲しいから。




光輝君は私の目を見て、顔を歪めた。


「お前は…なんでそう、真っ直ぐなんだよ…。」



喉の奥から絞り出すような声。



「…。」


私は黙って光輝君を見つめた。





「……もう…」



光輝君はここで言葉を切った。


数秒間を開けてから…

















「…もう、治んねぇんだよ…。」













と消えそうな声で言った。