「よ!光輝っ…て、あれ?」


私と光輝君の2人で病室で話をしていたら、バンドの友達が遊びに来てくれたのだ。




「へ…うわっ!な、なんだよ!来てくれるなら来るってメールくらいしろよ!」


私と2人きりでいたのを見られたのが恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして友達に怒る光輝君。


「あはは!あのシャイな光輝がねぇ。珍しい。」


「な、何言ってんだよ!」


そんな反抗する光輝君をよそに遊びに来た友達の1人が私に近寄ってきた。


「君、かわいいね。光輝にはもったいないよ。」


「えっ…えっと、あの…。」


いきなり聞かれて私が困っていると

「おいっ!桃にちょっかいだすなよ!」


かばってくれる光輝君。


「へー、桃ちゃんっていうんだ。よろしくね。俺、翔太(ショウタ)。」



「う…うん。」



手を差し出されたから握ればいいのかな?と思った私は手を出そうとしたら、




「握手とかしなくてもいーだろ。」



私の手をつかんでそう言う光輝君。


ほんのりほっぺが赤い。



「なんだよ光輝ー。ヤキモチ焼いちゃって♪」


「うっせぇ。」



今のがヤキモチかぁ…。

なんか嬉しい。



「お前も、何へらへら笑ってんだよ。」


「へへ…んじゃ、私、なんか飲み物でも買って来よっか?なにがいい?」


光輝君をふくめた4人分の缶ジュースを買いに行くことにした。


光輝君が俺が行くって言ってくれたけど、私がいない方が話やすいかと思ったから断った。