檻の中のちっぽけな生き物

「空っぽかよ。つまらねえの」
 悪罵と共に唾を吐いて、男は鏡張りの壁に背を向けた。だが、ガラス張りの壁の前まで戻ってきたところで問題に直面した。壁が高すぎてよじ登ることができないのだ。