私が見つめる雅の視線の先には、いつもサユの笑顔があった。


お調子者の雅が静かにサユを見つめる姿は、けっこう胸が痛い。


それでも私は雅が好きだった。


マサが笑ってると、クラス全体が元気になる。


クラスマッチや運動会、文化祭はいつも雅が中心にいた。


そういうイベントが終わったあと、なぜか告白する子が増える。


その告白の現場も、何度も見てきた。


雅の返事はいつも一緒。


“好きな子がいるんだ”