一人で探検していると
なにもプレートの
張り付けられていない
部屋の前にたどり着いた。



(あ、なんか聞こえる)




アコースティックギター?
小さいけど音が聞こえる。
僅かに窓を開けて中を覗く。



(…!?)



悪魔だ。
悪魔がギターを弾いてる。
真っ赤な髪の毛に
黒フレームの眼鏡は
鋭い目つきを隠している。
弦を撫でるような手先は
まるで女の子を優しく扱っているようだった。









(いやー!!こわい!!)



慌てて立ち去ろうとした瞬間
足を滑らせて転んだ。
ビッターンと、廊下と皮膚が
ぶつかる音が響いた。




「ううっ…痛い…」

「……大丈夫か?」

「わっ!!」


上半身を起こすと
後ろにはさっきの
悪魔みたいな人がいた。
顔がちょっと怖い。
でも半ば呆れてるみたいな。




「とりあえず起きろよ」


目のやり場に困っている様だ。やけにお尻がスースーする。
自分の後ろを見ると
スカートがかなりめくれてた。


(ぎゃー!!)



慌てて起き上がり
スカートを直す。
体についた埃を払いつつ
知らない人に
無様な姿を晒したことに
涙が出そうだった。