権藤はそう言うと、仲間に目配せして、私を捕らえさせた。 「大人しくして下さいね。動けばあちらの堅気のお友達がどうなるか分かりませんよ」 「どこに連れてくつもり?」 「ご心配なく。大人しくさえしていてくれれば悪いようにはしませんから」 その言葉に、私は抵抗を諦めて力を抜いた。