けれど、ノブの正義感は筋金入りらしい。

聞く耳なんて持っていない。



「何かあったら大変だし。せめて様子を見て、警察を呼ばないと」


そう言って、私たちの静止を聞かずに声のする方へと走り始めた。



「ちょっ、ノブ!…どうしようハル」


「どうするもこうするも、付いて行くしかないでしょう?ノブ、危なっかしいし」



ハルに言われて、私たちも仕方なくノブの後を追った。


数メートルほど走って路地裏の隅に4人で隠れる。

その先には、2人のチンピラ風の男と、制服姿の男子学生がいた。



「あれってもしかして絡まれてる…?」


「もしかしなくてもね」



オハナの小さな呟きに、私はそう答えた。


もう、何でこうなるの?

本当、最悪。



「大変だ!助けないと」


「ノブ、もう少し様子を見た方がいい」



完全にテンパっているノブを、ハルは冷静に説き伏せた。