「あー、お腹いっぱいで苦しい!」


「食べ過ぎなんだよ、サクは」


「あのねぇ、ハルが子供みたいに好き嫌いするから私が代わりに食べてやったんでしょ!?」


「そんなこと頼んでないし」



吉津でめいいっぱい高級料理を詰め込んで、私とハルは繁華街を歩いていた。

時刻は夜の7時過ぎ。

街は仕事帰りのサラリーマンや、学校帰りで寄り道をする学生たちで溢れている。



「あ、あれ。オハナとノブじゃない?」


「嘘?」



ハルの呟きに、前方を見ると、確かに制服姿の2人が見えた。



「すごい偶然。おーい!オハナ、ノブ!!」



私が大きく手を振ると、向こうの2人も私たちに気付いて、足早にこちらに向かって来た。



「サク、ハル。何やってんの!?」


「俺たちは夕飯食った帰り。そっちは?」


「私とノブは部活帰りだよ。帰るときにたまたま会って、そしたらノブが送ってくれるって」