「自分は父親みたいな警察官になりたいです。殺人犯とか暴走族とか、あとヤクザとか、そういう奴らを消してやりたくて…」


「…そっかぁ」



何となく予想はしていたけど、やっぱりだった。

分かっていても、ノブが言った言葉はずしりと胸に刺さる。

確かにヤクザなんて、世の中一般の人にしてみれば、迷惑以外のなにものでもないもんね。



「まぁ、なれるかどうかは分からないですけど」


そう言って笑うノブに、何か励ましの言葉をかけてあげたいのに、うまい台詞が見つからない。

すると、私の横でハルが口を開いた。



「ノブならなれるよ、立派な警察官に」


「ありがとうございます!ハルくんにそう言われると、本当に何でも叶いそうですね」



私は思わず目を丸くしてハルを見た。

いつものハルなら、絶対言わないような台詞。
でも、その言葉は何だかとても痛い。

ハルは無理して笑ってる。

私はそんな気がしてならなかった。