「おはようございます!」

今日も人好きのする笑顔でノブは笑う。

私たちにペコリと頭を下げると、席に着いて、同じようにハルにも挨拶をする。
ハルも、眠そうな目を擦ってそれに答えていた。


よし、よし。
いい感じ。

ハルもやればできるんじゃない。


私は小さくガッツポーズを決めた。



「でもさぁ、サク。張り切ってるとこ悪いんだけどさ」


「何、オハナ?」


「仲良くなればなるほどさ、隠しておくのは大変かもね。それに、もしバレたらお互いに傷付くんじゃないのかな?」


「…それは」



そうかもしれないけど…。


「でも、こうでもしなきゃ、あいつ友達なんて作れないでしょ?私はハルに、少しくらいは家のこと忘れて、普通の高校生活してもらいたいんだ」


「“幼なじみ”として?」

「そう、だよ」