「好きじゃないなら、何でハルの友達作りの心配なんてするの?」
「だから、それはハルの幼なじみとして…」
「ふぅん。じゃあ、もしハルがサクじゃない人を好きになって結婚してもいいの?」
「も、もちろん。婚約のことだって亡くなったお祖父ちゃんたちが勝手に決めたことだし…」
そう答えながら、ちらりとハルの方を見る。
眠たそうに机に突っ伏している背中を見ると、なぜかツキンと胸が傷んだ。
なんだろう?
胸焼け?
何か悪いもの食べたっけ?
「と、とにかく、恋愛感情なんて全っ然ないから!」
私がそう宣言すると、オハナはつまらなそうにまたチョコレート菓子を頬張り始めた。
「はい、はい。分かりました。あ、ノブだ!ノブ、おっはー!」
話題が変わったことにホッとして、私もノブに手を振った。
「ノブ、おはよう!」