「あんたは本当に素直じゃないね。いいじゃん別に、警察官の息子だって。友達でいたいならハルの家のことは秘密にしとけばいいんだし」
「…友達?」
「そう。友達。あんた、私とオハナ以外に友達って呼べる人いないでしょ?ノブならハルのいい友達になれると思うけど」
私がそう言うと、ハルは不思議そうな顔をした。
家では舎弟、学校ではミーハーな追っかけたちに取り囲まれているハルには、半ば自由はない。
そのうえ分かりにくい性格が足を引っ張って、友達を作ることなんてできやしないのが現実だ。
「…うちのこと黙ってれば、ノブとまた遊んだり、話したりできるってこと?」
「そういうこと」
「…なら、サクの言う通りにする」