「はい。でもしばらくはここにいられるんじゃないかな」
「親は転勤族のサラリーマンとか?」
ハルが何気なくそう尋ねると、ノブは首を振った。
「違います。公務員です」
「ああ、公務員ね。公務員も転勤多いもんね」
学校の先生とか税務署の職員とか、そういう人は転勤が多いって聞いたことがある。
でもそのたびに転校っていうのは、子供にとっては少し辛いよね。
「卒業するまでここにいられたらいいね」
私がそう言うと、ノブは嬉しそうに笑った。
「そうだ!せっかくだからノブの歓迎会やるっていうのはどう?」
「サク、それいい!!」
私の思い付きに、ウキウキした様子でオハナが一番に賛成した。
「いいんじゃない?サクにしてはまともなこと考えたね」
なんかちょっと癪に触るけど、珍しくハルも同意してくれた。
「ね、ノブ。いいよね?」
「もちろん!光栄です。ありがとうございます!!」