――駅前に新しく出来たメンズ服のお店まで歩いてきた。 章は、不機嫌なあたしにオドオドしながら聞いてくる。 「なあ、俺悪いことした?」 「別に」 あたしはそれでもツンとしている。 章は、呆れたように肩を上げて、お店のドアを開け、あたしを先に入らせながら、 「俺と優のせい?」 と聞いてきた。 「さあね」 あたしはそう言って、ドアからお店にすばやく入った。 「う、わぁ……」