夢で見た君との空

そこで、口を閉ざしていたユリちゃんはようやく呟いた。

「無神経？」
「うん、でしょ？」
「だね……」

苦笑いもまともに出来ない。
何、この状況!?

大好きな大好きな、遠くで見つめるだけでよかったあの『章くん』が、今となってはあたしに懐いてる、って感じ？
駄目、考えるのって体力を一番使うんだっけ……。

あたしは深いため息をついてから、チャイムと同時にユリちゃんと席に戻った。

同じクラスの女子の視線も少し厳しい。
みんな、羨ましいとか、あの莉亜が？とかコソコソ言っている。

あたしだって信じられないよ！

そう言いたかったけど、抑えた。