「な、なによー!ユウちゃんはまりの味方じゃないの!?」
顔を赤く染めるまりちゃんに、俺はさらに拍車をかけるような言葉を投げつけた。
「?…だって、汚れんのヤなら、拭けばイイじゃん。変なのー」
時、すでに遅し。
言ったあとに気付いたのだ。
まりちゃんの後ろに付いて、そうだそうだと言う、取り巻きの女子たちに。
そして健太の後ろには、もう許せと、男子たちが叫んでいた。
「うわー……。」
俺は1人、男子と女子の言い争いを眺めていた。
《争いが争いを呼ぶ》と言うのは、まさにこのこと。
当の本人たちとは関係なしに
『元々女子は、汚いのイヤがりすぎなんだよ!給食当番も押し付けて!』
『男子は汚すぎるの!食べ方が汚いのは男子なんだから、男子だけで片付けてよ、バーカ!』
バカやらアホやらと、いかにも小学生らしい罵声が飛び交う。
健太は言い争いの中、ポツンと俯いていた。
