「俺らの…、チーム名みたいな?なんつーんだろうな。族の名前みたいなモン。」
「ぞ…、族…ですか…。」
少しヒきながらも、話は分かった。
郁哉たちの団体名が“ウルフ”ってことだ。
「族っていっても、やることは人助けなんだよな?」
「えっと…、まぁ…うん…。」
ごまかすような笑いで曖昧な答えを出す郁哉。
その郁哉の後ろに…
「………郁哉…。…何…、してんの…。」
「玲っ!!!?…ビビったぁ…。」
制服姿のレイがいた。
お邪魔してますと挨拶すると、案の定、レイは『うん』とだけ頷いた。
「由羽……、郁哉に…、何かされた…?」
「俺、別に何もしてねーよ!」
「由羽…、困った…顔してる…。」
ドキリと、一度だけ胸が跳ねる。
レイの言っていることは本当で、俺は少し困っていた。
コイツらが凄く優しいことは分かっている。
でも…、仲間になれるかどうかは、また別の話だ。
もしウルフが、それこそ族みたいなことをしていたら、俺は絶対に仲間にならない。
だけど、約束しちゃった…。
「俺…、どうすればいいの…?」
どうすれば、いいのかな?
