Wolf..





「口笛吹いたのは誰だ!ふざけるんじゃないぞ!!」



顔を紅潮させ怒り沸騰の様子。

その状況を作ったのは俺なワケだし。



「や、自分が悪いんで。遅刻してすみませんでした。」


「む…、やけに素直だな…。」



ぺこっと謝って席へつく。

小笠原は、潮らしく謝った俺に少し動揺していたようだ。

テストが近いらしいから、進学校に行きたい堅いヤツは勉強したいだろう。


俺と小笠原のやり取りを楽しがってるヤツらもいたけどさ。

他人に迷惑はかけるなって、お父さんが言ってたしね。



「由羽、由羽。何時に起きた?」



ツンツンと後ろから背中をつついてきたのは、佐伯真白(サエキ マシロ)。

顔も綺麗に整ってる可愛らしい女の子。

少しクセがあるけど。



「10時。」


「マジ?遅刻する気満々じゃん♪」


「別に、そーゆーワケじゃ…」



クセがあるとか、俺が言えることではない。


女子なのにズボン。

女子なのに一人称が俺。

風貌、口調、やること

男、男、男。