Wolf..





「わぁ!!お父さん!!」



驚いた俺はドテンと後ろに手をついた。

お父さんは溜め息をついて俺を見た。



「“わぁ”じゃないだろ由羽…。それよりこの男の子、誰だ?」



なんだか居づらそうにしている郁哉を見てお父さんは言う。

郁哉はまた頭を下げて言った。



「あの、由羽……さんが道端で転んでいたので助けた者です!」



なんと礼儀正しい奴なんだ。

また俺は迷惑ばかりかけているな。



「娘が迷惑かけて申し訳ない。由羽、お前も頭下げてお礼しなさい。」


「あ、ありがとう!!ホント助かりました…。ありがとう…。」



郁哉はペコッと頭を下げて去っていった。

隣にいるお父さんを見上げると…



「この馬鹿娘…。あとで説教だ。」



案の定、怒ってました。