Wolf..





「まぁ、喧嘩売られたら買うだけの仲間みたいな♪ウルサい奴らシバいたり。」



可愛い笑顔で“シバく”やらなんやらと言うイクヤ。

悪い奴らでは無さそうだけど、理由なく殴ることは悪いことだ。



「ウルサい奴らって…、例えば?」


「バイク乗り回す集団いんじゃん?ブォンブォン音鳴らしてさ。そーゆーの成敗っ♪するんだ!」



イクヤは俺に向かって可愛くピースサインを送った。

とりあえず悪いことでは無さそうだけれど



「なんか…、族ボランティアって感じだなっ!」


「微妙なキャッチフレーズ付けるなよ!つか、アンタ女?俺より可愛いし。」



イクヤは自分が可愛いと思っているらしい。

変わった人もいるもんだと関心し、イクヤの質問を無視していたとき。

イクヤは俺に近づき、しゃがんだ。



「お。女の子だっ♪」



何か胸に違和感を感じたかと思えば

イクヤの伸ばした手が、俺の胸を揉んでいた。



「し……、死ね変態っ!!!」



俺の元気な右平手は、イクヤの頬に思い切りぶち当たった。

龍のであろう口笛が、聞こえる。



「いてぇよ!」


「揉むからだろ!馬鹿!!」


「意外に柔らかいんだなっ♪」


「テメェ…、足治ったらシバく!!」



龍が後ろで笑っているのも気に食わないが、何よりイクヤが腹立たしくて、堪らなかった。