俺は痛みで荒くなった息を整えてから、改めて口を開いた。
「ありがとう……。」
俺は頭を下げて二人に言った。
申し訳なさも、もちろんあるけれど
なにより感謝でいっぱいだ。
「俺は何もしてないから、玲と龍に言えよ。」
紺野は顔をそらして俺に言う。
こんな状況でも、俺は紺野を猫みたいだと思う。
「お前、薬箱出してくれたじゃん。ありがとな!」
「…薬箱出しただけじゃん……。」
学校での態度とは、殆ど同じだ。
だけど、こんなに話したのは初めてだ。
ついつい舞い上がって俺は言った。
「なぁ。翼って呼んでもイイ?」
「……やだ。」
そんな中、レイはルービックキューブに苦戦していた。
紺野は猫みたいなヤツだし
レイはとてもマイペースなヤツだし
龍と童顔のことも、知れたらいいなと思った。
