Wolf..





「お、俺…っ、小僧じゃない……。」



街灯に照らされ、男の顔はよく見えた。

まず、金髪で短髪。

顔は凄く整っているものの、やはり顔立ちが怖い。

どこぞのヤンキーのようだ。


完全に気が滅入ってるときに、こんな男が目の前に現れたら怖いだろ。

つか、怖いんだよっ!!


案の定、俺は震えたダサい声で喋る。

怖いんだよ……



「おっ。お前、可愛い顔してんなー!」



ポンポンと優しく俺の頭を叩くヤンキー。



「ささ、触るな!俺、女だ!!」



挙動不審に陥ってる今の俺は、まるで、シツケのなってない犬のようだ。

自覚はあるけれど、今の俺に、感情をコントロールするなんて

ましてや、こんな赤の他人に出来るワケがなかった。



「女ぁ!?女がこんな暗い夜道で、膝すりむいて、座り込んで何してんだよ。」


「お前に…、お前なんかに関係ない!気にせず道を通り過ぎてくれ!!」



よく言う。

さっきまで1人で、凄く寂しかった。

怖いけれど、さっきより心は寂しくない。

でも、俺の性格、ひん曲がってるから…

こんなことしか言えない。