「父さんの会社、人が少ないだろ?」
「うん……」
「三浦さんは遠くから越してきて、あまり相談する相手がいないんだ。」
「……うん…」
話は大体分かった。
要は三浦さんの相談相手がお父さんってこと。
でも、わざわざ家まで来て相談?
「あの…、私帰りますね。深山さんありがとうございました。」
優しく微笑んで、三浦さんは帰ってしまった。
三浦さんがいなくなった今、お父さんと俺の間には、重い沈黙が流れていた。
「由羽…、」
「バカっ!!お父さんのバカ!!お母さんに謝ってよ!!お父さんなんか嫌いだ!!!」
大きな音をたてリビングのドアを閉める。
変な意地が生まれ、部屋に戻ることより、家をでることを選んだ。
