教室のドアを開けると、人影が見えた 「……成見」 成見も俺をジッと見てる 「決心ついた?沙羅を手放す。」 手放す…… 「ははっ」 「何がおかしいんだよ。」 「悪いけど、沙羅は渡さない。手放すわけねぇだろ。」 「っ……。もう王子キャラじゃないんだ?」 「あぁ―。お前の前じゃ通用しないしな。」 成見が俺を睨み付ける 「でもお前、フラれたも同然だろ?指輪返しただろ?」 ポケットに入れていた沙羅の指輪を握りしめた 「そうかもしれない…。でも俺が一生、一緒にいたいと思うのは沙羅だけなんだ」