走ってきたのか息を切らしている



「な…なんで……」



さっきの恐怖でうまく声が出ない



「観月が沙羅の姿が見えないって言ったから…、捜してた…」



そっか…みんなに心配かけちゃったんだ……



「ごめ「つ―か。男に簡単について行くなよな。」



……え


「ついて行ったんじゃない!引っ張られて…」



「そんなところが不用心だって言ってんだよ!」



な…なんでこんなこと言われないといけないの……



「あ…あたし……怖かったのに……なのに…」



声が震える


「なのになによ!!だったら助けに来なきゃいいでしょ!!」



こんなに…、こんなに辛いのに……



涙を必死に抑える



「名ばかりの婚約者なんて!!………ん゙っ!!」



突然塞がれた唇



「ちょっ……イ…ヤ……」



ヤダ!やめてよ!


こんな時にキスなんてしないで!!



必死に逃げようとするが、男の人の力に敵うわけもなく身動きが取れない