廊下に張り出された成績上位者の名前をチェックしてきたセージがおはようの挨拶代わりにわざと俺を苛立たせる一言を告げる。



「藤岡に勝てなくて残念だったね」



残念という言葉とは裏腹にセージの顔は笑顔だ。



「名前張り出されるの覚悟で本気だしたのにまさかの同点とはね~」



心のいつも以上に明るい声が余計に俺を苛立たせる。



でも心の言うとおり、同点1位って・・・

だぁぁぁぁあ!!

スッキリしねぇ!!



「で、オマエは何でそんなテンション高いワケ?」



妙にルンルンの心を睨む。



「だって明日っから夏休みだよ?テンション上がらないわけないよ!」



こないだまでこの世の終わりみたいな顔して勉強してたクセに。