「先生達、行ったみたいだね」


騒がしかった廊下が静かになった。



「藤岡くんありがとう。藤岡くんがいなきゃ絶対捕まってたよ」



お礼を言って私達は狭い物陰から出た。



「隠れてる間、何度も携帯振動してたけど大丈夫?」


「あ!」



宗ちゃんからの着信の間に乃依ちゃんの着歴を見つけて思わず叫ぶ。



「乃依ちゃん…逃げれたかなぁ」


「電話してみたら?池上さんも心配してるかもしれないし」


「うん、そうする!」



乃依ちゃんに電話をかけた時、聞き覚えのある着うたが近くで流れた。



「乃依ちゃん!!」


「ニコ!!」



「無事だったんだね」


「ニコこそぉ~!!」



嬉しくて思わず抱き合う。