「畑中~、薬なかったぞ?」 「え、ありますよ。粉薬の……。」 「いや。なかった。だから、俺のかばんにあったやつ持ってきたから。」 そう言って、あたしに渡す。 これは……、粒薬……。 「あの……、やっぱ、寝てれば治りますんで薬は……。」 坂下先生に返すように、手を前に出す。 「……。」 「坂下先生?」 「ふっ……。」 坂下先生は、軽く笑ってこういった。